着痩せがすごいよ!
ル・ポールのドラァグレースUK・シーズン1

衣装チェンジにウイッグチェンジ、デスドロップはあって当然…という具合に、アリッサ・エドワーズやキャメロン・マイケルズなどの身体能力の高すぎるアメリカ版ど迫力パフォーマンスを見てきたからだろうか、ルポールのドラァグレースUKにおけるリップシンクに関しては、なんだかちょっと刺激が足りない。
しかしじっくりよーく見てごらん。UKクイーンのパフォーマンスに派手さはないが、歌うま・コメディ・顔芸・存在感などUKクイーンのキャラクターは個々に強烈な光を放ち、じわじわハートを刺激する個性に惹きつけられるはず。

「ル・ポールのドラァグレース UK」を見るにはWOW Presents Plus



着痩せクイーン

正直に告白すると、ドラァグレースUKに素顔が「あらいやだイケメンさん!」とトキメキ感じるドラァグクイーンはいなかった(あくまで個人の見解)。イケメン好きとしては素顔イケメンのクイーンが一人でもいると、シーズンを通し視聴を続けるモチベーションが上がるのだ!これは隠しようのない事実。
ドラァグレースUKではイケメン不在の代わりに、シーズンの盛り上げに欠くことのできない心強い味方・フクヨカ系のクイーンは、いっぱいいた!
10人のクイーンのうち、半数ほどはぽっちゃりの印象。

『ルポールのドラァグレースUK』は、Netflixで放送されていないことから、WOW Presents Plusで見ることになった。となれば、当然日本語ナシ。やっとの思いでTOEIC700オーバー奪取をしたばかりの心もとない我が英語力、全編英語字幕で難しいイギリス英語の聞き取りを完璧にできるはずもなく、イケメン不在でモチベーションの上りが悪いなか、ほぼ”知ったか”で視聴したのだった。

というわけで、細かいレビューは英語の分かる方のブログで詳しくご確認いただき、ここでは内容どーこーよりも、違った視点からドラァグレースUKを見ていきたい。
その違った視点とは、ずばり 「着痩せ」である。

シェリル・ホール(Cheryl Hole)

まず最初に堂々の着痩せクイーンとしてご紹介したいのが、シェリル・ホール(Cheryl Hole)!
キャラクター的にもキャピキャピしていて可愛いのだが、化粧をするとあらまぁ!さらに可愛い!!その可愛さもさる事ながら、ドラァグレースUKシーズン1で一番のダンシング・クイーンである、順位は4位という実力者。

そしてこのシーズンにおいては、素顔とドラァグが当初私の中で一致しなかったクイーンでもある。というのも、素朴な素顔からは想像もできないドラァグはゴージャスでキュートで、何より予想以上に 【シュッとしている】 からだ。

まずはシェリル・ホールの素顔から見ていただこう。

まぁるいお顔の輪郭に、ふっくらとした肩のラインと、ややくびれを忘れたウエストライン、ザッツア・親・近・感!
勝手な診断だが、シェリル・ホールは骨格診断で言うと「ストレート」に相当するのではなかろうか。かくゆう私個人も骨格ストレートである。

そんな彼女がドラッグ衣装で見事に着痩せしている!

IラインシルエットとVネックは骨格ストレートの鉄則だ。腰回りのボリュームを隠しながら、ひざ下の細い部分からの流れを強調するIラインに、首の短さをVネックで補う。
シェリル・ホールの衣装もおおよそ骨格ストレートの鉄則に沿っている。
首元は大胆に大きく開け、下半身はタイトに締め決して横に広がらせない。
同時に肩の丸味を肩パットなどで鋭さを強調することで、丸味を消す。またときに肩を丸ごと出してしまって、首から肩にかけたすっきりと露出してもOK。
その他、腰に手を当てる等の『イカリ肩ポージング』で、肩を鋭角にしぐっとシャープさを醸し出すことに見事成功している。

言い忘れていたが、私はファッションコーデや骨格診断の専門家では当然ない。いち視聴者として皆様と同じ立場から、あーだーこーだ言っているだけの取りすがりのブロガーであることを予めご理解いただきたい。

とはいえ、弘法も筆を誤るように、シェリルも着痩せを誤ることがある。
骨格ストレートの体系は上半身に厚みがあるため、なるべく上半身にボリュームを出さないようにすることが着痩せするポイントになるのだが…

左上のオレンジの衣装にご注目。首・胸元・肩すべてが隠れており、シャープなラインが全然が見えない。
さらに首から肩にかけて流れるドレープが、肩周辺の丸さをさらに丸っこく見せている。真横へ広がるフレアスカートは腰回りのボリュームを主役の座へと押し上げてしまい、着ぐるみ状態になっている。

また右上の写真では、肩に大きなポイントを置き肩の丸味を消すまでは良かった。問題は素材と下半身のシルエット。ふわふわ素材で胴と腰回りの厚みを悪い意味で強調しすぎてしまっている。
”ふんわりフレア”よりも、”タイトにかっこよく”がシェリルを細く見せることがわかる。

良い例・悪い例で着痩せ効果を顕著に教えてくれるシェリル・ホール。ドラァグレースにおけるナンバーワン・着痩せクイーンに任命したい。



ザ・ヴィヴィアン(The Vivienne)

ウエストはただ在るものではない、造るものだ。
そう教えてくれるのが、ザ・ヴィヴィアン(The Vivienne)
シェリル・ホールの次に、個人的に素顔とドラッグとの体系が同一人物とは思えなかったクイーンだ。

上記で紹介したシェリルも同じ手法であるのだが、ウエスト造りでが着痩せに抜群の効果を発揮するようだ。

話は逸れるがドラァグレースUKでザ・ヴィヴィアンと言えば、トランプ大統領!このモノマネは秀逸であった。
ドラァグレース全体では明かな民主党支持で、何としてもトランプを批判したい姿勢は度々見かけられる。
日本メディアの陰湿な偏向も疑わしいものだが、アメリカの露骨さに世界の人気番組として放送するには首を傾げるところがある。そんなマイナス要素を差し置いてでも、ヴィヴィアンのトランプは誰が見てもおもしろく、絶妙で素晴らしかった。(そういえばスナッチ・ゲームって、いつから完全な男性モノマネでも良くなったんだろう。昔は女装の原則があったような・・・)

話を戻して、着痩せの話である。

こちらもまずはザ・ヴィヴィアンの素顔から。
シャープなフェイスラインに反して、どうしてなかなかのわがままボディ―。
上半身の厚みもさることながら、下半身もガッチリとしている印象だ。

そんなガッチリさんが、こんな風に見事にほっそり!着痩せに成功。

見たままをなぞるようでかたじけないが、
美しい鎖骨はなるべく出す!
そして、もっとも大切なことそれは、
ウエストは絶対に造る!!
これがザ・ヴィヴィアンにおける黄金鉄則のようだ。

細かく分析すると、まずはマーメイドライン!
ヒップを大きく見せる代わりに、ヒップから足先までのラインを長く!女性らしく滑らなメリハリをつけながら、細い部分を手堅く強調している。パンツスタイルにおいても同様のマーメイドラインで、全体的に縦長で凹凸がはっきりとしたグラマーな印象だ。

次にベルト。
「ウエストはここでーす!」と進んで主張してくれるベルトは、がっちりさんには強い味方なようだ。
ベルトがあるとき・ないときに関しては、下記で詳しく見ていく。

さらにVライン。
Vラインのボーダー・Vのラインが出るギャザー・その他Vラインがでるアイテムをザ・ヴィヴィアンは取り入れている。もっちゃりしがちなスポーツウエアでも、ウエストがでるよう短めTシャツにVラインのショーツ?を合わせる上級着痩せテクニックを披露。
詳しいことは定かではないが、確かに平行線のボーダーラインで横を強調するよりも、Vのラインでやや縦方向を強調するだけで縦長の視覚効果を狙えるという事だろうか、これは日常生活でもぜひ取り入れたい技だ。

しかしながら猿も木から落ちるように、ザ・ヴィヴィアンも着痩せをときに見落とす。
下2枚の写真を比べていただこう。
上記で紹介したボーダーVラインの効果からか、上半身においてごっつさは感じない。
問題は下半身。ちょうどぽっこりお腹が気になるウエストのところで切替してあり上半身はVライン、下半身は縦横の水平・垂直ボーダーになっている。
左写真ではせっかく垂直ボーダーが腹部の小高い丘によってやや歪み、ポッコリ感を強調してしまっている。
そこで登場するのが、ザ・ヴィヴィアンのザ・ベルト!
この1本のベルトでウエストラインをいい感じに創造し、上半身のVラインは厚みを綺麗に誤魔化し、下半身の特に垂直ボーダーのすっきりとした縦長Iラインを作り出すことに成功している。

マジカルアイテム・ベルトを今すぐ買いに急ごう。

シェリル・ホールにせよザ・ヴィヴィアンにせよ、ドラァグクイーンは好きな衣装を好きなように着ているように見えて、実は体系に合った似合う黄金パターンを持ちその法則に沿って似合う衣装を選んでいることが、見て取れる。



バガ・チップス (Baga Chipz)

日本のテレビ番組(特に関西)を知っている人なら誰もが感じるかもしれない。
中川家・礼二??ドヤサのくるよ師匠??
実にそっくり。
「この人、絶対おもしろい!」と感じる顔は、世界共通のようだ。

上記でシェリル・ホールとザ・ヴィヴィアンが美しく着瘦せする姿を紹介してきた。ドラァグクイーンたるものいかに美しく化け、観客目のを楽しませるは重要な責務だ。
ところがこのバガ・チップスにおいては逆を行っているように思う。
つまり、ウエストを造らない・シャープなラインを造らないことで身体の丸みを強調する。
何のために??おそらく「おもしろさ」を優先するためだろう。

下記の写真は素顔のバガ・チップスと、ドラァグレースUKシーズン1の登場シーンの衣装である。
素顔のバガ・チップスはドラァグのときほどのぽっちゃり感はない。
またシェリル・ホールの法則と同様に、Vネックで首を長く、肩パットとイカリ肩ポージングで肩にシャープさを持たせ、ウエストを造り下半身は無駄な広がりを排除、スッキリと見せる。そうすることでぽっちゃり感は全然気にならないことがよくわかる。

だがバガ・チップス は着痩せを選ばない。
シェリル・ホールもザ・ヴィヴィアンも実践している胴のもっとも細い部分を締めウエストを造り出す方法を、バガ・チップスは選ばない。胸のすぐ下肋骨のある胴の太い部分を締めることでボンレスハムを模し、肩の丸みを残したうえで上から下までのAラインをつくることで、エイジングのエッセンスさえも加えている。
あえての着ぶくれでおばちゃん感を演出する、それがバガ・チップスというおもしろドラァグクイーンの計算なのだと思う。

今回はドラァグレースUKシーズン1の着痩せに注目してきた。
今流行りのオーバーサイズを着ると着膨れ甚だしい!と、私と同じお悩みをお持ちのドラァグレースファンの方がいれば、大好きなドラァグクイーンを参考にされてはいかがだろうか。

最後にドラァグレースUKでもっとも好きなチャレンジ・ガールズグループの回で結成された『The Frock Destroyers』を貼っておく。バガ・チップス歌うま過ぎ!


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