台湾のシンガーソングライター、クラウド・ルー(Crowd Lu/盧廣仲)は台湾だけでなく最近日本でも熱い。2018年にはSUMMER SONIC、くるりの京都音楽博覧会、中津川 THE SOLAR BUDOKANなどのロックフェスに出演し、11月の単独ライブは数分でSOLD OUT。2019年12月も東京でライブがあるなど、盛り上がっている。
熱心なファンの多くは台湾まで追いかけライブに行くなか、なかなかシンガポールまで追いかける日本人は少なかろう!ということで、クラウド・ルー(盧廣仲)ファン歴9年、しかしクラウド・ルーのライブ参戦歴は2018年東京公演のまだ1度きりの私が、クラウド・ルー君を見にシンガポールまで行ってきた!
◆目次
日本からチケットを購入
チケットは、クラウド・ルーが所属する台湾の音楽事務所TEAM EAR MUSIC(添翼創越工作室)のHPからリンクされたシンガポール公演のチケット販売会社「SiSTiC Singapore」より、事前に購入した。
「SiSTiC Singapore」ホームページの言語は英語か中国語の二択になっている。中国語(シンガポールは簡体字)が分からなくとも、英語なら中学生英語くらいのさほど難しくなくレベルで登録し購入することができる。(登録時にはパスポート番号が必要)
この公演で購入できるチケットの価格帯は、S$188、S$158、S$128、S$88、S$68の5種類。1階のステージに近い席や価格の安い席は早々に売り切れ、私が購入できた席は、1階から4階まであるなか、3階のテラス席となった。チケット代はS$158。手数料等諸経費入れ日本円にすると約13,000円。2019年12月の東京公演がスタンディングで7,500円だから、いくら座席があるとはいえ約13,000円は・・・安くはない。さすが物価の高い都市ランキングで首位になるシンガポール!
チケットはE-チケットで発行され、バーコードが記載されたE-チケットをプリントアウトするか、専用アプリでバーコードを提示するかして、会場へ入場できる。
会場は”エスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ”
2019年10月5日開催のクラウド・ルー(盧廣仲) 『2019 World Tour Singapore 11周年演唱会 大人中』。
場所は、マーライオンやマリーナベイ・サンズといったシンガポールのシンボル的観光スポットにほど近い”エスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ”。ご覧の通りの南国フルーツ・ドリアンの形をした特徴的なホールだ。
18時会場、19時開演で行われた10月5日のコンサートで、私が会場に到着したのは19時10分前であった。というのも、チャンギ国際空港に降り立ったのが17時前。そこからMRTに乗り、ホテルのチェックインを済ませ会場へと向かったため、ギリギリになったのだ。
会場の最寄となるMRTエスプラネード駅から会場のエスプラネード・シアターズまでは、地下で繋がっており、暑い地上を歩くことなく快適。もう一つの最寄り駅・シティホール駅からも地下道でつながっている。
MRT出口からしばらく地下を歩くこと数分、会場に入ったかな?と思われる上りエスカレーター前でふいにチケット提示を求められる。ハンディ・バーコードリーダーを片手に持つ軽装の男女2人。軽い感じでバーコードをピッとしてエレベーターを上ると、そこはすでに会場内!あとは自分のシートを探すのみ。エスカレーター前の軽いワンクッションが、まさかの『入口』であった。
日本ではこれぞ『入口』という1か所のエントランスから入場するのが通常であるため、驚きと少々の気抜け。ともあれ無事時間内にシートまでたどり着けた。
約2000人入る会場、恐らく同様の箇所が数か所あると思われる。帰国時チャンギ国際空港の出国でも、出発ロビーではなく飛行機搭乗間際で持ち物・ボディチェックが行われるようになっていた。シンガポールでは”直前チェック”が一般的なのかも。
歌劇場型のエスプラネード・シアターは、”ドリアン”というインパクトのある近代的な外観に反して、落ち着いた赤のクラシックな内観で、非常に美しいホールであった。
多民族国家のシンガポールは、街中でさまざまな人種の人々に遭遇できる。しかし会場に来ている観客は、当然ながら見渡すかぎり中華系の観客でほぼ満席であった。
若い女性同士や、若いカップルが目立つなか、祖父母世代もちらほらいて、クラウド・ルー(盧廣仲)が多くの年代に愛されているのがよく分かった。
ライブ・スタート!
舞台に設置された大きな半透明のスクリーンに『愛情怎麼了嗎』のMVが映し出されるところからライブが始まった。時計店店主の生涯を振り返りしっとりとした気分になったところで、シルバージャケットに身を包んんだ小隊長が登場!歓声に包まれた。
2019年10月5日のシンガポール公演で披露された曲目は下記の通り。
【セットリスト】
・一個便當 (アルバム「有吉他的流行歌曲」に収録)
・歐拉拉呼呼 (アルバム「有吉他的流行歌曲」に収録)
・七天 (アルバム「七天」に収録)
・你是我的水 (ミニアルバム「幾分之幾」に収録)
・只有夜来香 (アルバム「有吉他的流行歌曲」に収録)
・聽見了嗎? (アルバム「七天」に収録)
・寂寞考 (アルバム「100種生活」に収録)
・早安,晨之美! (アルバム「100種生活」に収録)
・藍寶 (アルバム「慢靈魂」に収録)
・愛情怎麼了嗎?(シングル「愛情怎麼了嗎」に収録)
・魚仔(シングル「魚仔」に収録)
・別在我睡著的時候打電話給我 (アルバム「慢靈魂」に収録)
・無敵鐵金剛 (アルバム「100種生活」に収録)
・慢靈魂 (アルバム「慢靈魂」に収録)
・蚊子 (アルバム「慢靈魂」に収録)
・再見勾勾 (アルバム「七天」に収録)
・Que te pasa 你在幹嘛? (アルバム「100種生活」に収録)
・口水流下來 (アルバム「有吉他的流行歌曲」に収録)
・OH YEAH (アルバム「七天」に収録)
・100種生活 (アルバム「100種生活」に収録)
【アンコール】
・幾分之幾 (ミニアルバム「幾分之幾」に収録)
・大人中(シングル「大人中」に収録)
クラウド・ルー(盧廣仲) はシンガポールで何語を話すのか?!
2018年の東京公演では、英語・中国語そして時々かわいい日本語でMCをしていたクラウド・ルー(盧廣仲)君であったが、シンガポールはご承知の通り英語も中国語も公用語である。そんなシンガポール公演では美しい発音で話すクラウド君の英語を期待していたが、やはり観客がほぼ中華系とあって、終始中国語のリラックスムードでMCは進められた。
舞台と客席が近いこともあり、観客もかなりのリラックした雰囲気で、クラウド君にガンガン声掛け。そしてそれに応えるクラウド君に、みんな大爆笑。とにかく笑いの絶えないライブであった。
会場が大爆笑に包まれるも、こっちは中国語の聞き取りで必死。だったが、楽しく暖かいムードに私の緊張もほぐれ、理解しようがしまいが、楽しければいいや!という気分に。最終的にはシンガポールというアウェイの空気にも完全に慣れ、クラウド君と楽しい観客が作り出す美しい空間に心から楽しむことができた。
日本人目線でおもしろかったのは、観客の反応だ。とにかく反応が素直で素早い。
登場で着ていたシルバージャケットを「暑い!」と言って脱ぐクラウド君に、一同「キャー!」。
ライブの中盤が過ぎた頃、舞台袖から「暑い暑い!」と言って黒のタンクトップ姿で再登場したクラウド君に一同「ギャァーーー!」とかなりいい反応。確かに、たくましい二の腕のクラウド君は素敵!
アンコールの『大人中』では、ギター片手に舞台際に腰かけ観客に急接近。その瞬間に前方だけだなく1階後方席からも舞台へ向け観客がワーっと押し寄せた。近い!!
クラウド君の周りはあっと言う間に人だかり。手を伸ばして握手を求めたり、スマホをかざして接写の嵐。2階・3階・4階の観客は、羨ましく眺めるばかり。
クラウド君もやや驚きながらも、楽し気。
最初から最後まで暖かい空気に包まれ、本当に楽しい!
19時開演で、ライブが終わったのは21時半頃。たっぷり2時間半もクラウド・ルーの歌声を堪能できたうえ、シンガポールという異国の地でそこに暮らす人々と喜びを享受できた大満足のライブであった。