ル・ポールのドラァグ・レース出場の
ドラァグクイーンによるプロデュース・コスメ

毎日時間をかけてメイクを丁寧に施すドラァグクイーンは、メイクが芸術的に上手い。そんなメイクテクニックやメイク経験値が高いドラァグクイーンが、自身のメイクを発売しないはずがない!
今回紹介するのは、ル・ポールのドラァグレース出場クイーンがプロデュースするメイクブランド。ドラァグスタイルが三種三様であれば、作るメイクブランドのコンセプトや配色・イメージまでもが十人十色で実におもしろい。




ミス・フェイムの【Miss Fame Beauty】

自身のメイクだけでなく、世界中でメイクテクニックを教示してきたミス・フェイム(シーズン7)が、2017年に発売した彼女のメイク・ブランド『ミス・フェイム・ビューティ』

コスメは各種充実の品揃えで、リップ・アイシャドウパレット・グリッターなど。妖艶さと芸術性を、この上なく美しい姿で表現することができるミス・フェイムならではのカラー展開。程よい色気を醸し出すヌードカラーや、怪しげに光るスモーキーカラーを楽しめる。

「メイクは私の興味でありやりがいである。」と語るミス・フェイムが、言葉だけでなく自らのコスメブランドを本業として取り組んでいるのがよくわかる。。
ミス・フェイム・ビューティの公式インスタグラムを持ち、今使っている化粧水や最近飲んでいるサプリなんていう日本の芸能人のような生ぬるいステマ(ステルスマーケティング)なんてのは一切せず、自らのブランド商品をいかに美しく見せることのみを考え表現し消費者にアピールする、実に真摯な商売によりインスタ運営をしているのだ。

『ミス・フェイム・ビューティ』でのミス・フェイムは、ドラァッグレースで演技や踊りに戸惑っていた姿とは180度違い、水を得た魚のように実にイキイキとして美しさに磨きがかかって見える。そして軽快な口調でコスメの良さを熱く丁寧に説明する姿は、まさにキャリアウーマン!かっこいいのだ。
ミス・フェイムの美しさに引き込まれ、買ってしまいたくなる者続出だろう。

ちなみに、『ミス・フェイム・ビューティ』のショップサイトには、日本円表記があるため、日本からの購入可能!かも。購入希望の方はご自身で確かめてみてほしい。(missfamebeauty.com

アリッサ・エドワーズの【Alyssa Edwards Eyeshadow Palette by ANASTASIA BEVERLY HILLS】

化粧品会社・アナスタシア・ビバリーヒルズから2019年5月に発売されたアリッサ・エドワーズ(シーズン5・オールスター2)のアイシャドウ・バレット。
アナスタシア・ビバリーヒルズといえば!?そう、賞金「ワン・ハンドレット・サウザァン・ダァラーズ!」と共に、シーズン7から1年分のコスメを優勝者に提供するドラッグレースの主要スポーンサーだ。

数いる卒業クイーンの中から、アナスタシア・ビバリーヒルズはなぜアリッサ・エドワーズをモデルに選んだのだろうか。
ドラァグクイーンにとって化粧品は必須アイテムであるから、ドラァグクイーンが化粧品イメージをけん引するのは当然としても、ドラァグレースには100人を超えるクイーンがいるため、モデル選びは大変だろう。
選考理由のひとつは、化粧品会社の顔をなる華麗なる美しさを備えている。次に悪質なスキャンダルを起こしそうにないこと。シーズン5でのココ・モントリースとは、シーズン前から確執があり険悪な空気を生み出すかと思いきや、結果的に見ればアリッサの陽気さでおもしろおかしい痴話げんかになっている。つまり、悪質なスキャンダルでもきっとおもしろく笑いに変えてくれるだろうというイメージの良さ。それでいてドラァグレースを象徴するクイーンである、それがドラッグレースの主要スポーンサーを惹きつけたのでないかと推測する。
以上、すべて個人によるごく個人的な見解である。

肝心のアイシャドウ・バレットは、アリッサのゴージャズメイクを再現するのにピッタリな、鮮やかで豊富なカラー展開。
ありきたりなメイクしか知らない一般人の私は、アリッサのこれらのメイクを見て、反対色を大胆に入れてもこれほど豪華に美しく調和するのかと少々驚いた。メイクというよりグラフィックデザイン!
アリッサの美しく滑らかな肌に見事に馴染んだ仕上がりには、お見事の一言。そんなアリッサのアイシャドウ・バレット、お値段は$45 USD。(sephora.com

アクアリアの【AQUARIA X NYX PROFESSIONAL MAKEUP COLOR PALETTE by NYX Cosmetics】

シーズン10で優勝したアクアリアが2019年5月に発売したのが、10色入りのアイシャドウパレット。
アクアリアといえば、ファッショニスタである一方で、メイクの仕上がりがいつも芸術的に美しく陶器のような肌の持ち主。ドラァグレース史上二番目の若さである22歳で優勝した(史上最年少はシーズン2のタイラ・サンチェスで優勝時は21歳)アクアリアらしく、このコスメが都会のナイトライフと”未来”をイメージして作られた。

未来都市をイメージしただけあって、シャープで眩しいほど色鮮やか。右上のアクアリアの写真を見て、発色の良い紅色がさし色に入っているあたり、一瞬『山形新幹線・つばさ』の美しいボディに見えたのは私だけか!?新幹線なみの美しく滑らかなで白い下地がないと、この色は生えないのか!?
このように個性的でアートなメイクをメイクを、一生に一度でもしてみたいなという願望は少なからずあるものの、下地の美しさに加え繊細な絵画のような綿密なラインと色使いは、常人に真似のできるものではない。脱帽。(nyxcosmetics.com




トリクシー・マテルの【Trixie Cosmetics】

「おもちゃ箱をひっくり返したような」とはまさにこの事か!?というほど、女性の多くが子供の頃欲しがったおもちゃの色合いをそのままに商品化したコスメが、2019年5月LAで行われた”DragCon”で初お目見えしたトリクシー・マテル(シーズン7)の『Trixie Cosmetics』だ。
商品ラインナップは、リップの他ハロウィンバージョンなどのグリッターが多数。

バービー人形コレクターのトリクシーが、バービー人形そのものを具象化しているように、パッケージやロゴの色合いやデザインは、いい意味でチープさがあり、子供のころ欲しかったが買ってもらえなかったおもちゃのメイクアップセットのように夢と希望が詰まっていて、とにかく可愛い。
ただいま少女まっさかりの女の子から、少女の頃ほしかったコスメがようやく手に入る!という達成感を味わいたい大人の女性まで、この可愛さ虜になってしまいそう。

ネット通販には日本円表記があるため、日本からの購入可能かも。ミス・フェイムビューティ同様、購入希望の方はご自身で確かめてみてほしい。そのほか実店舗ではFOREVER21のビューティブランド”RILEY ROSE”で購入できるようだが、日本には上陸未定ということだ。(trixiecosmetics.com

キム・チーの【KimChichic beauty】

トリクシー・マテルのコスメが「おもちゃ箱をひっくり返したよう」だとすると、この方のコスメは「アニメから飛び出してきた!」そんな化粧品ブランドである。シーズン8のキム・チーにより、2019年10月に発売された『KimChichic beauty』。

まさか身長190センチ超えとは信じられないほど、あどけなく愛らしいメイクで人気を博し、現在もインスタのフォロワー数が180万人を超える人気者。
キム・チーの愛されメイク同様にKimChichic beautyのパッケージは、ゆるかわ漫画のようなキャラクターと淡い配色。どれもほんわかした可愛さで、トリクシーとはまたひと味違ったタイプのガーリーを味わえる。

商品ラインナップは、アイシャドウパレットやリップの他、キュートなLEDライト付ミラーまである。リップやアイシャドウのカラーは、他のドラァグクイーンコスメに比べると、肌に馴染みやすい地味な印象があるが、かえって日本人は一番しっくりくる色合いかもしれない。

こちらもネット通販サイトには日本円表記がある。(kimchichicbeauty.com

以上、ドラァグ・レース出場クイーンがプロデュースするメイクブランドの紹介であった。個人的には、トリクシーのトイ風コスメも捨てがたいが、ミス・フェイムのブランドが、コスメとしての信頼度が高そうで気になっている。


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