もしも…
上司が生真面目な完璧主義者だったら…

完璧主義者を語るうえで、心理学や行動学など学んだこともないし、偉そうに人様の悩みを解決しようだなんて思ってもいない。ただ本当に参っているのだ『完璧主義の上司』に。というわけで、現在お悩み真っただ中の完璧主義者の上司について、自分なりに分析してみたので今回この場を借りて発表したいと思う。



部下から見た、完璧主義上司のやっかいな点

真面目で責任感が強いことは良いことだ。仕事は正確で、高い意識を持ち、良き気が利き、何事も妥協をせず手を抜かない、もしもそれが部下ならば安心して仕事を任せられるだろう。しかしその完璧主義者が部下ではなく上司であり、完璧主義を強要されたなら…
生真面目な完璧主義者である上司の特徴を、部下の立場から”上から目線で”分析してみた。

何事も自分ルール優先、だから頭が固い

完璧主義の上司には、自らの経験に則った『自分ルール』が存在する。そしてそれが最も合理的で最善な方法だと確信している。
部下に仕事を引き継ぐ際、部下には部下の自分ルールを培っていけばよいという寛容な姿勢は毛頭ない。なぜなら、上司の設定した自分ルールが絶対的に『正しい』からだ。そのため、部下は上司の決めたやり方を守らねばならない。部下にとってはただのオートメーション業務、仕事のおもしろさは微塵もない。

また、完璧主義上司は失敗を恐れる。そのためチャレンジ精神や自由な発想には程遠い場所にいる。情報源も自分の経験が全てであることが多いため、視野が極端に狭い。たいていは視野の狭さには気がついていない。したがって部下から提案される新しい発想も、完璧主義上司にとっては「奇案」でしかない。完璧主義上司のもとでは、アイデアマンはなかなか生きづらい状況に追いやられる。

評価はいつも、減点方式

完璧主義の上司は、自らに甘く他者に厳しい。なぜなら他者は自らの設定する要求事項を満たす仕事をしていないからだ。要求事項を満たすことが『当たり前』とされるため、正しく実行できてはじめて得点はゼロ。要求事項を満たさなば必ずマイナスで、よっぽどでなければプラスは出ない。

その思考をよく表現した言葉がこれ、「〇〇さんに悪い所はなかった」である。他者を認めるときに使う言葉として「〇〇さんの迅速な対応が良かった」といったプラス面を認めるのではなく、マイナス面がなかったことを認める。逆を解せば、常に『悪い所』を探しているのだ。
このマイナス探し、部下にとっては『褒めて伸ばす』の真逆を行くスパルタスタイルに思えるが、完璧主義上司からすると、「〇〇さんのため」を思ってしている優しさだと感じていている可能性があるから恐ろしい。

他人を思い通りにコントロールしようとする

正直部下にとってはこれが一番やっかいな特徴だ。上記の減点方式に伴い、部下の要求事項未達に対し減点だけしておいてくれればいいものを、親切にもその減点をゼロに戻そうと、あれやこれや非常に細かな指摘をされる。自分が完璧であるがゆえに、自分と同じ事ができない人間にイライラしてしまう。さらに、ほっておけばいい些細な事でも黙っていられない特徴もある。一般的には『一言多いタイプ』だ。

口が先にでるだけでなく、手が先にでることもある。部下にお願いしておいた仕事も、自分の気に入るようにならなければ、結局完璧主義上司本人が無断でやってしまうのだ。頼まれた部下の気持ちはお構いなしに。完璧主義上司の自己満足が上がれば上がるほど、部下の心はしらけていく。

自分ルールは1ミリも変えずに、自分の思い通りに動かない他人を変えさせようと、細部までチェックし目くじらを立てる。その姿は、もはや病的な潔癖症の域。
どんなに殺菌消毒しようが、生きている限り排便はするし菌も付く、完璧な清潔を保つよりも、多少の不潔に慣れた方が早いと部下は感じている。



実践中の対処法

完璧主義の上司に支配されないために、現在試行中の行動を紹介する。

話は半分で聞き、即実行しない

完璧主義上司は小言とも思える事細かい指摘が多い。全体把握しているつもりでいるが、重箱のすみをつつくことに夢中になり、結果的には大筋から外れているように思える事がよくある。木を見て森を見ない。だからと言って、部下がよかれと思って親切心で正論を述べるのは、後々面倒になる。その上司にとって正しいのは自分の考えであり、あー言えばこー言われるのは目に見えているからだ。

違和感を感じる指摘でも一度飲み込むか、もしくは話は50%以下の集中力でしか聞かず、ほとんどを受け流すようにしている。完璧主義の上司はとにかく「これをすべきだ!」という主張が強い。なんせ他人をコントロールをしたい人間なので、一呼吸置いて意図をすり合わせるより先に指示を出してしまう。上司が一呼吸置けないなら、替わりに部下が置くというわけだ。部下は話を半分に聞くことで、強い主張に圧倒される前に自分の頭をクールダウンできる利点もある。

また、指示されたものの道理合わないと思える事を、「やってやるよ!」と怒りに任せて即実行するより、のらりくらりしばらく寝かせてみるというのもいい。そうすれば潮の流れが変わることもある。結果的に指示を無視して実行しないことが良い場合だってある。
どうだっていいような指示は面倒なのでさっさと済ませたいと一見思いがちだが、即実行して一つ終わらせれば、また次の細かい指示が出る。のらりくらり方式は、精神的疲労を少しでも軽減するための策である。

すぐに実行しないことで完璧主義上司の小言が増えれば、謝ればいいだけのこと。いやいや実行して毎日自分に嘘をつき続けるよりはましだ。

ダブルスタンダードでいく

先に完璧主義上司の小言を、「話半分で聞く」と書いたが、聞くときの姿勢は当然のことながら「話半分」であることがばれてはいけない。生真面目な完璧主義者が一番嫌うことは、いい加減・適当・不真面目であることだからだ。真剣に話に集中するフリをするのだ。

一方で、完璧主義上司の指示のうち、納得できる仕事に関しては大いに同調しその提案を賞賛しながら業務にあたるのがよい。他人のどう思われているかが常に気になる完璧主義者は、他人には減点方式であることとは矛盾して、他人からの感謝や完璧さを褒められることが大好きだ。

真面目で完璧主義であることは尊敬できる点も大いにある。その部分での指示は素直に受け入れ、上司のご機嫌を満足させる。同時に指示に従うフリをして、納得のいかない指示には従わない。その2つのパターンを使い分けて、燃えたぎる完璧主義の火の粉を払いながら生き抜くのだ。

バカになる

完璧主義のコメディアンというのはいるのだろうか。コメディアンは自分や他人の欠点を受け入れられるからこそ、笑いに変えられるのではなかろうか。自分の笑いにこだわる完璧主義のコメディアンはいても、他人に完璧を求めるコメディアンってのは、何だか笑えない。

そもそも完璧主義上司は、「仕事ができない人間だと思われたくない」し「失敗をして笑われたくない」。だからこそ完璧を追及するわけだ。上司が完璧主義で、部下もそれに従い完璧思考。お笑いコンビなら、ボケもツッコミも完璧主義だなんて、かた苦し過ぎて見てる方は気が抜けない。それならばいっそのこと、完璧主義の上司が逆立ちしてもできないボケの役割を、部下の自分が担えばいい。つまり「バカになる」のだ。

では、完璧主義上司に相応しいバカとは。まずは、上司と戦わないことだ。いくら上司の指示に正論で対抗しても、論破されて疲れるだけ。それならば初めから挑まず、プライドも捨て降参する。「負けるが勝ち」と信じて。
その他、知っていることでも、無駄にしゃしゃり出ず知らないふりして一から聞くこと。細かく厳しい大げさな指示や言葉をいちいち真剣に受け止めず、何にも分からない顔してとにかく笑っておくこと。

ただし「バカになる」バカさ加減が非常に難しい。「頼んだ仕事を一切しない無能なバカ」と判断されてしまうと評価が悪くなり給与に差し支えるため、「人間的には信頼できるが、ときどきやらかすバカ」というニッチェなポジションを狙って私は日々奮闘している。

完璧主義上司がいくら部下をコントロールしようとしても、部下は一向に従わないように、部下が上司に完璧主義をやめさせるようにコントロールすることは絶対にできない。
上司も部下も、他人は変えることができないから、自分が変わるしかないのである。

以上が、『私がこんなブログを書いているだなんて当の上司が知ったら減給ものだとヒヤヒヤしながら実体験をまとめた決死のレポート』である。
こんなレポートをまとめる暇があったら、次の就職先でも探したほうがいいと、ふと思うこともあるが、渡る世間は鬼ばかり、何事も修行というわけだ。


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「もしも…<br>上司が生真面目な完璧主義者だったら…」への2件のフィードバック

  1. こんな上司、私の周りにもいました。大変参考になります。
    sumerkoさんは素晴らしい文章力を持たれていますね。

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