記憶喪失?
何度も同じことを繰り返す人の心理と考察

自慢話・体験談・人から聞いた話など、1週間とたたないうちに同じ話を何度もする人がいる。それも毎回「実は初めて言うけど…」のドヤ顔でやってくるから厄介だ。私が以前話した話題さえも「人から聞いた話だけど…」と堂々と披露してくるから、もう訳がわからない。

心的病気で治療中なのか、時間をかけた嫌がらせなのかと疑ってはみたが、本人は心身ともにいたって健康で、悪気が一切ない。性格が悪い人でもないものだから余計に「その話、前に聞いた」とは言いにくい。

彼らは一体どのようなメンタリティで、自ら一度語った事を忘れてしまえるのだろうか。個人の見解で考察をまとめたみた。



人の話は聞かないし、人の顔色は見ない

一度話したことを完全に忘れている訳だから、忘れっぽい性格であることは確かなのだが、それ以前に「人の話を聞いていない」ということが上げられる。

数人で、特に友人同士でカラオケに行った場合、歌っている人をよそに、歌っていない者は次は何を歌おうか一心不乱に歌えそうな曲をサーチする。一曲終わって次の曲が入っていなければ、スムーズさに欠けるため、事前に次の曲を決めておくことは、全体的な時間配分を考慮した合理的な方法だろう。

では、自分が次に歌う曲だけに集中していた者にとって、その間歌っていた人物がどのような表情で歌っていたのか、分かるだろうか。歌が苦手で自信なさげに歌っていたかもしれない、または別れたばかりの恋人を思い出し、涙を浮かべていたかもしれない。それと同じことが、「同じ話を何回も繰り返す人」に言える。

つまり「次に自分が話すこと」だけに集中しているのだ。

相手の話を聞いている振りをして(大抵本人は話を聞いていると思っている)、実のところ「次自分はどんな話をしようか」「次はあの話を入れよう」など、相手の話ではなく自分が話す内容にだけに考えを巡らせている。

その場は楽しく和やかに過ごしていても、「話し相手」ではなく「自分」に意識が向けられているため、会話のキャッチボールで広がった「その場の空気感」が、記憶に留まらないのだ。したがって、””に話した内容であるか、”どんなシチュエーション”で話が展開されたかを会話の空間認知能力が欠如してしまう。それが「忘れる」という症状につながっている。

もちろん、自分が話をしている最中も話し相手に集中することはない。第一相手に集中していれば、同じ話をした時に相手の表情が曇ることに気がつくはずだろう。

自己承認欲求のひとつ

「自分の話」を何度もする人は、容易に理解できる通り「自己愛」が強い傾向がある。被害者意識を通して自己愛を表現するパターンもある。

一方で「他人の話」を何度もする人は、知識や話題の範囲が狭いことと自分に自信がないこと。またどこで聞いたかも不確かな又聞き情報を、他人に伝える程ソースの出所を気にしないという特徴が見受けられる。言ってみれば、エビデンスなんでどうでもいいが「自分の知っている情報量を他人に知らしめたい」だけのだ。

両者とも自己承認欲求が強く、自分の評価と他人の評価を統一させるために、つい相手の表情よりも自分アピールを優先するようになっている。

対処法

加齢によるものも場合によってはあるだろうが、ここで考察の対象人物は年齢には関係がない。20代にも当てはまる人はいる。この問題で一番やっかいなのは、本人が無自覚であることだ。

はっきり言って対処法はまだ確立していない。「この人は話を聞けない人なんだ」と同情心を持ってよくよく理解していても、実際目の前で再放送→再々放送→総集編スペシャルが繰り広げられると、正直イライラを止められない。

白けた顔で聞いてはいるが「聞いた」と素直に伝えることは概ね面倒なため、作り笑いを浮かべつつ「放置」を決め込むのが最良だろう。「承認欲求、お疲れさまです!」と思ってねぎらうしかない。

言っておくが、全て個人的見解である。


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