満員電車いるいる
車内にはびこる迷惑キャラクター

満員電車で迷惑な人・代表格は、リュックを背負う人・荷物を座席に置く人・混雑しているのに新聞を広げるおじさん・ドアの前から絶対どかない頑固者など、上げたらきりがないくらい存在する。満員電車で不快をお見舞いしてくれる多数の迷惑さんの中から、気になる3種類をキャラクター方式で紹介する。



通路を塞ぎデッドスペースを生み出す
通称:蓋(ふた)

のっけから雑なネーミングで失礼するが、読んで字のごとく通路の入り口を覆い「蓋」をしてしまう人のことである。どのような状況なのか、下の図を見ていただきたい。

満員電車では大勢の人が扉付近に集中する。扉付近が出入りしやすく楽だと考える人が多いだろう。しかし立つ人の大半が扉付近に集中すると飽和状態になり、電車に乗れない人も現れる。そんな飽和を少しでも緩和するために有効活用したいスペースは、座席と座席に挟まれた通路部分だ。

通常は図の1列目と3列目のつり革スタンディング席に人が集中する。そのつり革スタンディング席の人々が座席側にやや詰めれば、もう1列に人立てる余裕が生まれ、通路分は合計3列のスタンディングラインの配置が可能になる。

扉付近は人の出入りが激しく窮屈であるし、座席の前のつり革に乗車時は既に人が占めているという理由から、私は通常乗車して早々に図で言う2列目のスタンド席に突進する。この侵入に進路を阻む存在が「蓋」だ!

大きめショルダーバッグのサラリーマンや、試験勉強前のリュックに参考書を持った女子高生、スポーツバッグで床を占領する男子高生、あとは巨漢、そんな人々がこの1軍(座席)と2軍(つり革スタンディング)を先着順で占拠され、唯一残された3軍(図の2列目)までも行かせまいと身勝手に阻む。横をとくと見よ!自身のサイドに広がるデッドスペースで、どれだけの人間が助かるのか。

「この、ふたヤロー!」

私の心はこう叫んでいる。イライラが最上級に達したときは「ふたヤロー」と呼んでいるが、それ以外は、男であれば「蓋男」、女であれば「蓋女」と呼んでいる。(そのまま)

このような場面に出くわした際私は、冷たく乾いた「スミマセン!」というマントラを唱え、強行突破でデッドスペースに入り込むことにしている。蓋の存在を打破しても次につり革スタンディン部の人々が各自のスペースを広めに確保するため、背中で押し出す等で侵入阻止の意地を見せることもある。混雑時は通路スペースは3列体勢が共通認識になることは難しいが、日々の「通路スペース3列活動」により、一人でも共有スペースの有効利用を意識できる人間(特に若者層)が増えれば幸いである。

扉に背を向け対面式で乗客のパーソナルスペースを脅かす
通称:ごっつん子


あわや車内で乗客同士がごっつんこ!その人は、電車の扉に寄りかかり内側を向いて立つ。そして混雑のさなか、赤の他人と気まずい至近距離で向き合うことになっても一切動じない。そんな人々を「ごっつん子」と呼んでいる。

彼らのこの行為は、「俺様のパーソナルスペースを、侵せるものなら侵してみやがれ」という一種の威嚇なのだろうか。後ろから横から不意に押される満員電車においては、議論の余地なしに張られたその威嚇スペースに土足で踏み込むほか方法がないのに。

その目的は、パーソナルスペースを学ぶための実践的研究か、もしくはインド育ちでパーソナルスペースがほぼゼロなうえに、人をじろじろ見ることも見られることにも慣れているからなのか。はたまた、よっぽど自分の容姿に自信があるため、扉の前でモデル立ちをしているのか。

混雑した車内でも人の”背面”に接近することへの抵抗は少ないが、人の”前面”に接近することはとりわけ女性にとってパーソナルスペースへの侵略行為に等しく、不快極まりない事である。満員電車内で扉からすぐの場所に立つ場合は、極力外側を向いておこう!いや、頼むから向いてくれ。



カバンを小脇に抱えすぎな女性
通称:おカバン様

そこのけ、そこのけ!おカバン様がお通りよ!と言わんばかりに、片時も変えることなく自身の肩に掛けた鞄を定位置に保ち続ける女性。電車が大きく揺れようとも、人が押し合いへし合いしようが、彼女たちの肩から鞄が降ろされることはない。

彼女たちの鞄は、とにかくスペースを要する。側面に鎮座する鞄は0.5人分の空間を占拠し、横長に張り出した頑丈でモダンなそれは、後方の人々さえも寄せ付けまじと接近を拒む。その擬人化された強烈な存在感はもはや「おカバン様」

「お前のような下等動物とこの高貴なおカバン様とを一緒にするでない!馬小屋で十分なお前とは違い、おカバン様にはファーストクラス級のそれ相応なスペースが必要なのぞ。これ、気安く触るでない!」

おカバン様の威風堂々たる佇まいは、まるで自分がボロ雑巾にでもなったかのような妄想を掻き立てる。

女性のおカバン様問題、迷惑リュックに相当すると思われるのだが、電車マナーポスターで見かけたことはまだない。「そのおカバン様を持つ手を下に下げる、または前方に抱えるだけで、あと一人分の余裕できますよ?」と言いたいけれど、怖くて言えない。そんなカバンを持つ女性に限って前後左右は全く気にせず、おカバン様に当たったりでもしたら睨んでくるからだ。

せっかく素敵なお鞄をお持ちでしたら、「お心遣い」もどうぞお持ち歩きください。

最後に

人の振りを見ながら、自分自身は他人の不快を忖度できているのだろうかと顧みた満員電車の話であった。
これらの人々の一挙手一投足に動じない、心に余裕を持つ人間になりたいものだ。


もしも…上司が生真面目な完璧主義者だったら…

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