大衆立ち飲みデビュー女子の心得・五箇条

「おじさんの聖地」、それがひと昔前の大衆的な立ち飲みのイメージであった。しかし現代では、おしゃれで立地がよく気の利いた立ち飲み店がオフィス街や繁華街に登場し、料理も定番の和食からイタリアンや多国籍と、個性的で種類豊富になっている。
一方、昔ながらの立ち飲み屋も相変わらず人気で、立ち飲みが若者の間でも定着したからなのか、おやじ世代が世間話に花を咲かせるのに混じって、最近では若い女性同士の客の姿を見ることも多くなった。昭和・レトロ・人情味が、若者には魅力的で新鮮なのであろう。そんな昔ながらのおじさんの聖地へ初挑戦する女子たちが、立ち飲み屋の暖簾を堂々とくぐるための心得を紹介したい。


一、長居禁物!立ち飲みをカフェ代わりにしない

女子同士で立ち飲みに行けば、最初はあまりの活気にものおじしても、1時間のすれば場の空気に慣れ、賑やかな周りに押され、ついつい話に夢中になってしまうこともあるだろう。

カフェ感覚のおしゃれなバル風立ち飲みなら、多少の女子会ノリはアリなのかもしれない。しかし、立ち飲み屋が立ち飲みである所以は「回転率」だ。客単価2,000円以下の大衆酒場では、飲まず食わずで喋り続けたりしてお店に迷惑をかけない。注文は明瞭に、サクッと飲んで食べて、雰囲気を楽しんだら次の店に行くのが粋で上品な大人の立ち飲み作法だ。

一、一度に多くの料理を注文し過ぎない

理由は、人のスペースを占拠しないためだ。立ち飲みの限られたスペースで、晩餐を繰り広げられては、他の客のスペースを侵入しかねない。

また、立ち飲みは各スペースに自由が利くため、場所を詰めれば幾らかの人数が入れる。つまり店内が混みあえば飲んでる最中に横にずれたりといった場所移動が少なからず発生する。大混雑時には、カウンターに肩を入れて斜め立ち、身体を半身にしスペース最小限でひたすら飲むのが、立ち飲みの掟だ。

安いしどれも美味しそう!あれもこれも食べたくなる気持ちはよくわかる。しかし2人で2・3皿頼んで、無くなったらまた頼めばよいだけ。譲り合いの精神を持って、誰もが快適なスペースを確保できる人情的な気遣いを大切にしていきたい。

一、大人数で押しかけない

立ち飲み屋には、一人で来ている客が多い。英気を養い、心落ち着く時間を一人愉しんでいる。そんな中、5人も6人ものグループが騒がしく空間を占拠しては、英気を養うどころか、その日あった職場のイライラを再熱させることになる。

男性グループでも、酔いが深まると声のボリュームは制御不能。それが女性グループの甲高い声となれば、なおさら迷惑となる。かくゆう私自身も、友人と訪れた立ち飲み店で隣のグループとの話が弾み過ぎ、あまりの騒がしさに店主に注意を受けたことがある。その店は一人客も大切にする配慮の行き届いた店である。

深酔い防止の意味も含め、”店の空気を読める程度”の意識を持ってお酒を楽しむのがよいだろう。

一、店の様子を見て、帰り時を察知する

ある程度飲み食いし、満足できた。しかしまだ話は終わっていない。さらに店内は満員御礼状態、客の熱気でその場に居るだけで楽しい。そこへ新しい客が入ってきた。店主は店内を見渡し入店を断ろうか迷っている。

「入店した順でいくと自分が一番長いかもしれない・・・」そう感じていながらも、若い女性だと特に話が長引き、つい長居して話し込んでしまうことがある。何度も言うが立ち飲みは回転率が命だ。新規客が来ればそれだけ店の稼働率は上がり、売り上げにつながる。

そんな時は辺りを見て、自分がその日いる客の中で古客になってきていると感じたら、「ごちそうさま」と店主に告げ帰り支度をするのがとてもスマートな客である。例えば、合コンや飲み会での帰り時と同じと思えばいい。2次会までは付き合うが、終電にはきっちり帰る女性と、面倒だからと終電を逃し朝までダラダラ飲んでしまう女性。どちらがスマートでいい女だと思えるだろうか。

好きな店だからこそ、利益が上がって欲しいし長く店を続けてほしい。そんな思いを胸に節度を持った客になる。そうすれば店主にとって有難い客になり、次に来店しやすい。



一、おじさんに話かけられても怖い顔で無視しない

私がもっとも女子たちに言いたいことは、最後のこの心得かもしれない。

女性同士で立ち飲みに行くと、男性に声を掛けられることもあるだろう。女性1人より女性2人くらいの方が、下心なく会話のきっかけを掴めるため、男性から声を掛けられやすい。だが、その男性は女子が期待していた男性像(イケメン)とは180度かけ離れた人物であるかもしれない。むしろ大衆的な立ち飲みで声を掛けてくる男性は、おじさんである可能性が非常に高い。そんな時でも袖すり合うも多生の縁と思って、よほどひどい絡み方でない限り話に乗ってあげてほしい。

立ち飲みは大人たちの「社交の場」である。同じ職場の人間同士が愚痴を吐き合いストレスを発散することもあるし、一人で来て偶然となりになった者同士が思わぬ共通点を見つけ会話につながることもあるだろう。また立ち飲みは「癒しの場」でもある。皆日頃の疲れを癒すためにお酒を飲んで、上機嫌になっている人がほとんどだ。

そんな陽気な状況で声を掛けられたのだから、楽しい雰囲気を壊さず誰も傷つけずに、会話を楽しんだり、上手にかわしたりするのが、大人の女の心得というものだ。

社交性と人間力を高められる絶好のチャンスだと思って、一度話に付き合ってみてほしい。そしてその機会を、コミュケーション能力や心の器を広げる実践場にしてほしい。普段接することのない職種や年代や考え方、まったく見知らぬ人の話を聞くという珍しい機会は、これからの長い人生において無駄なことではないはずだ。

最後に

立ち飲みは高級レストランと違い、落ち着きのある雰囲気や親切丁寧な接客といった付加価値が、お酒と料理と共に提供されるわけではない。むしろその陽気な雰囲気や高揚感は、店と客が一体となって創り出すものである。

心得をあれこれ5つも紹介しておきならが何だが、ルールに縛られ過ぎることなかれ。もともと女性が持っている「優しさ」や「心遣い」を発揮すれば、自分を含め店内の皆が快適に至福の時を過ごすことができるからだ。





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