タピオカミルクティーは台湾で非常に人気の飲み物で、日本のコンビニくらいの近距離間隔にタピオカドリンクのお店が点在している。
日本でも女子高生など若い女子を中心に空前のタピオカブームが起きており、「タピオカ」と聞くと「並ぶ」女性が日本全国で急増中である。
台湾発祥の飲み物だけあって、オシャレかつ”ヘルシー”なイメージがあるが、実際のところはどうなのか?タピオカの原料から詳しく見ていきたいと思う。
タピオカの原料は?
タピオカの主原料はキャッサバという芋の一種。キャッサバの根から抽出されたデンプン質を乾燥させ粉状にし、それを小さい球状に成型したものがタピオカ。さらにそれを茹でることで、プルプルモチモチの食感が生まれる。
なぜ黒い?タピオカ
タピオカの原料である「キャッサバ」を画像検索すると分かる通り、キャッサバを切るとその断面は白に近い色をしている。
一方で、タピオカには白色とよく見かける黒色がある。一見黒い方が漂白剤を使っていない「天然モノ」に思いがちだが、実際は白いものが天然の色になる。
では、ブラックタピオカの黒色は何なのか?
乾燥したブラックタピオカとして売られているものには原材料名として、「タピオカでん粉」の他に「カラメル色素」が含まれているものがある。この「カラメル色素」が、元々白いタピオカを黒く染める着色料なのだ。
カラメル色素とは
オイスターソースやカレールー、焼肉のたれや飲料・スナック菓子など、茶色く色づいた食品にはもれなく添加されているカラメル色素。加工食品の着色料として一番メジャーと言ってもよいほど、カラメル色素は多くの食品に使用されている。表示には「着色料(カラメル)」または「カラメル色素」と記されている。
では、カラメル色素とは何なのか。
カラメル色素は、食品の着色や風味をつけるためる用いられる食品添加物である。製法によって、下記の4種類に分けれらる。
1.カラメルⅠ:糖類を加熱してつくる方法
2.カラメルⅡ:糖類に亜硫酸を加えて加熱してつくる方法
3.カラメルⅢ:は糖類にアンモニウム化合物を加えて加熱してつくる方法
4.カラメルⅣ:糖類に亜硫酸とアンモニウム化合物の両方を加えて加熱してつくる方法
カラメルⅠついては、自宅でプリンのカラメルを作る時と同じ方法で、砂糖を煮詰めたもの。化合物は不使用。食品として安全性が高い言えるだろう。しかし、コスト面からこの製法での製品はあまり見かけることはない。
カラメルⅡは、危険な製法として日本では禁じられている。そのため日本で多く使われているカラメル色素は、カラメルⅢとⅣになる。いずれもこんぶ類・食肉・鮮魚介類(鯨肉を含む)、茶・のり類・豆類・野菜・わかめ類には使用できないことになっている。
【カラメル色素の原材料表示がある主な食品】
・コーラ
・焼き肉・すき焼き・うなぎのたれ
・ソース・パスタソース
・カレー
・インスタントラーメン
・アルコール飲料
など、カラメル色素は多くの加工食品に利用されてる。
カラメル色素の危険性は「4-メチルイミダゾール」の発がん性
カラメルⅢとⅣに見られるカラメル色素は、高圧高温のもと生成される過程で化学反応を起こし「4-メチルイミダゾール(4-MI)」という化学物質ができる。
この化学物質4-メチルイミダゾールが問題で、「発がん性」が確認されている。
食品表示に見るカラメル色素は、カラメルⅢまたはⅣどちらの製法で作られていても表記は同じ「着色料(カラメル)」または「カラメル色素」のどちらかである。そのため消費者は表記から製法を確認することができない。
消費者がまずすべき対策は、カラメル色素には発がん性物質を含むという認識を持つことだ。
天然色素を使ったタピオカも
身体に優しい食品を意識する企業では、黒く着色をするための食品添加物として、カラメル色素の代わりに別の例えばイカスミ色素などの天然色素を使用している食品会社もある。
タピオカミルクティー発祥の地台湾でも、天然色素を使用したタピオカミルクティーを提供する店や、また自宅で安全なタピオカを食べれるようレシピを詳細するサイトも存在する。本場台湾でも、カラメル色素に対する意識が高まり、安心安全な「手作り」が好まれているようだ。
それを逆手にとった事件も発生している。黒糖を煮詰めて作る天然のカラメルを使用していることをセールスポイントにしていた台湾で行列ができる人気のドリンクスタンドで、実際は合成着色料のカラメル色素を使用し偽造していたことが発覚し、ニュースにもなった。
まとめ
カラメル色素は、タピオカをはじめ実に多くの食品に添加されているのは事実だ。しかし合成着色料のカラメル色素が入っているから、危険が疑われる添加物が入っているからと言って、わざわざお店に確認したり100%排除することは、自給自足で暮らさない限り加工食品で溢れた現代においては困難だろう。
けれども、危険性を知り、注意することは可能だ。
美味しいからといって毎日続けて摂取しないこと。危険性の高い合成食品添加物が入っているという意識を持って、日々の買い物で原材料表示を確認し摂る量を調整すること。それら意識を持った行動が、自分や家族の健康を守る第一歩となるだろう。